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年末年始の暮らし

日本の伝統行事。その原点は暮らし。

食と住、そして風土と季節。その中で見出され、

表現されてきた文化の形。

そこには「祈り」のための道具や室礼が備わり、

先人たちの知恵と感性を生かした真心が感じられる。

 物心着いたころから繰り返される節句と呼ばれる特別な日。

人の心を育て、日本人としての人生観として染み付いていく

「永遠なる命への思い」が込められている。

食卓和文化継承士は、何を伝えたいのだろう。

年末年始に込められた思い。古人はどう過ごしていたのか。

年中行事の中でも年末年始は平安を祈念する一番大事な行事。

言葉や室礼の様子、食材や道具から見てまいりますと、

先人たちが何を一番大切にしていたのかがよくわかります。

行事はファッションではありません。

そして、食事も同様なのです。

冬至という日。

一年で昼間が一番短い日(日本にとって)

しかし、太陽のエネルギーが再び力を取りもどし始める日。

柚子湯に入った人、

かぼちゃを食べた人。

柚子にはたくさんの意味があります。

長い年月かかって実を結ぶ、譲る、血液の循環をよくする、

精油としても使われます。

かぼちゃも同じ様に、

冬に向かう体にとって栄養が備わっています。

黄色は無病息災(悪い事をおいはらう)の意味もあります。

日本はこうして四季を暮らしに取り入れます。

ここまではっきりとした季節がある国は他にはないのです。

さて、今年ももう終わりに近づきました。

大掃除では、よくない事を追払い、私たちの暮らしを守る

神様をお迎えするのだから、特に丁寧に掃除をします。

大晦日にお蕎麦。蕎麦のように長く人生を送るということ。

蕎麦団子を使って金箔をかき集める事から、金が集まる縁起もの。

蕎麦は切れやすいので一年の嫌な事を切り捨てる意味も。

除夜の鐘で清らかになり、

お正月は一と止で天の道に踏み外さないように止まって確認。

一年がまた気持ちよく幸せに過ごせるために

神様に感謝をしてスタートする日なのです。

新年を迎える大切な思いの伝達を親から子への教え。

身の回りにある全ての命への優しい思いが込められている。

年末年始はその事をしっかりと思い、身の回りの全て、

悠久をつないでこられたご先祖様に感謝を表す大切な行いなのです。