日本食にみる帝王学

 

 

一般社団法人 伝統美養食育推進支援協会

          理事 松島 修氏

 

(「王様マインドと奴隷マインド」の著者として有名)が立ち上げ当初から私たちプロジェクトリーダー達に発している言葉です。


「日本は世界最古の国です。

紀元前660年に建国され、英国より、中国より古い国です。

そして、日本の大きな特徴は次の3つを全て持っていることです。

(1)文化

(2)ビジネス・お金

(3)技術


世界で、この3つをしっかり持っている国は先進国の一部だけ、ユーロ圏・米国・日本くらいです。中国は、元々、文化や技術など優れたものがあり進んでいましたが、残念なことに最近は模倣ばかりで、有力な独自技術は少なく中国発の有力ブランドもありません。


自分たちが世界の中心という中華思想は奴隷マインドであり奴隷マインドは文化を破壊します。中華思想は奴隷マインドですが、対局の自己卑下も奴隷マインドで日本は、自己卑下によって優れた特徴を認識できにくくなっています。

 


 

今、日本食が世界で一番人気となっています。食は人が生きていくのに、一番基本となるものの一つであり、世界で一番になっているのは凄いことです。


日本食は、日本の文化と密接です。日本食は「贅沢」です。

贅沢という言葉は、2つの意味があります。ネガティブな意味とポジティブな意味です。


ネガティブな意味は「浪費」

必要な程度をこえて、物事に金銭や物などを使うこと。限度や、ふさわしい程度をこえること。という意味があります。


しかし、語源はポジティブな意味を持っています。


贅沢の「贅」は「お金が有り余っていること」
「沢」は「つや」「うるおい」を意味します。

つまり広い意味の豊かさを意味します。


食の分野で贅沢といえば、以前、おもしろい話を聞きました。

あるヤクザの親分が、最高のメロン、5万円のメロンが欲しいと高級果物店で注文しました。高級果物店といえども、5万円のメロンはありません。


そこで、店にあった最高値の1万円のメロンが5個あったのでその5個を持って、そのヤクザの親分のところに行き、メロン5個のうち4個を目の前で叩き割って、最後の一つを「これが、最高のメロンです。」と渡したそうです。


それを見て、ヤクザの親分は、納得し、喜んでこの最高のメロンを受け取ったという話があります。(フィクションかノンフィクションか分かりませんが)

 


 

この話は

「希少なものに価値がある」「希少な食べ物に価値がある」とする考え方です。

 


これは夏に、希少な冬の食べ物を食べる。冬に、希少な夏の食べ物を食べることを贅沢と思っていることと同じです。

また、フォアグラのような病的な部位を食べることが贅沢と思っていることと同じです。

 

このような希少な食べ物に価値があるとする価値観は奴隷マインド的であり、好ましくない贅沢の概念です。

この奴隷マインド的な贅沢とは正反対の王様マインド的な贅沢があります。

日本では昔から、一年を72の季節に分け、その時々の旬の味を味わう、という文化です。


その時の旬の食べ物を食べるのは美味しく、

栄養価も高く、体に良く、美しく、安価です。


 

一年を72の季節に分けると、約5日で食べ物が変わっていくことになります。


世界のほとんどの国は、一年中、同じものばかり食べていますが日本は、その時々に食べ物が変わることで、季節と食を楽しむのです。


まさしく、美しい豊かな、健全な贅沢です。


また、日本の食べ物は、食材の美しさや、器の美しさ

添えられた花や、お茶、俳句なども味わうという高度な文化の基本です。

 

 日本は、四季を楽しみ、粋であり、本来の豊かな贅沢な文化を持っているのです。

本来の姿から、間違ったものに置き換えらえてしまった社会を元に戻すことは
大事な使命の本質の一つです。


王の贅沢も、和食のように、四季を楽しみ、粋であり、本来の豊かな贅沢であって、浪費することではありません。そして、王としての使命を達成することは、最高の贅沢といってもよいのでしょう。


日本の食文化に、王様マインドの帝王学の「粋」を見ることができます。


http://www.xfine.info/dvd/km/